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2022.09.14

EV用充電器の遠隔制御について

EV用充電器の遠隔制御について

EV用充電器とは何か?

今後ますます普及してくると見られるEVですが、ガソリン車にガソリンが必要なようにEVには電気が必要となります。そのため、EVユーザーは電気を車両のバッテリーに貯めるために必ず充電器を使う事になります。

現在、充電器は3kW~6kWの低出力でゆっくりと電気を貯める普通充電器と、10kW以上(大体は20kW~50kW)の高出力かつ短時間で充電できる急速充電器の二つに大きく分けられます。

普通充電器も急速充電器も機種によっては多少の違いはあるものの使用方法は簡単で、車両の充電ソケットに充電器の充電プラグを差し込めば自動的に充電が開始されます。

ただ、急速充電器は高出力の電気を扱うため、車両側の受入準備も必要なので充電器-車両間で通信を行うなど多少高度な事を行いますが、普通充電器は携帯電話の充電器と同じようなイメージです。

充電器の利用シーン

充電器の利用シーンとして、主に下記3つのパターンに分けられます。

基礎充電

自宅や事業所などで自動車の保管場所における充電。帰宅・帰社に充電プラグを挿して充電を行い、翌日にはバッテリーが満タンになった状態になります。

目的地充電

移動の目的地での滞在中に行う充電。商業施設等を利用している間に充電を行うため、バッテリーを満タンにするために行うものではありません。

経路充電

運転中、バッテリーが少なくなってきた際に緊急で行う充電。高出力で数十分程度の充電で、帰るまでに電欠するのを避けるために行うもの。

表にまとめると以下の通りとなります。

②目的地充電、③経路充電はパブリック充電と呼ばれており、公共の場に設置された充電器を使います。そのため料金さえ払えば誰でも利用できるものとなっております。一方で、①基礎充電はプライベート充電と呼ばれており、自宅、事業所などに設置されている普通充電器は使うため、当然ですがユーザーが限られています。

目的地充電や経路充電もEV使用時に行う事はあると思いますが、EVへの充電の約9割は基礎充電、つまり自宅や事業所で行われているため、この基礎充電での充電器の使い勝手を向上させることが、EVユーザーの利便性向上に繋がります。

社有車/公用車としてEV充電時の問題点

ここまで充電器について説明しましたが、実際に職場で社有車/公用車としてEVの利用をする時には、どのような手順で必要でしょうか。恐らく利用するまでの車両予約の流れはガソリン車と同様かと思います。ただガソリン車と違いEVは乗る前に、挿さっている充電プラグを車体から抜く必要があります。また同様に帰社時には、消費した電力を充電するために充電ケーブルを挿す事を忘れてはいけません。ただ、ここで起こりがちなのは、充電のし忘れや充電プラグがしっかり挿さっていないため、充電器が出来ておらず、次に乗る人が使えないという問題です。

また前述の通り、通常会社に設置されている充電器は普通充電器である事が多いため、ケーブルを車両に挿したら自動で充電が行われることになり、バッテリーが満タンになるまで充電が続きます。これがEV一台だけならあまり大きな問題にはならないと思いますが、複数台充電した場合はどうなるでしょうか。

 図1.充電器の遠隔制御をしない場合の電力使用量

上の図は、80kWで電力契約している事業所に、6kWの普通充電器を10台設置した場合のシミュレーションです。業務で車両を利用した場合は、午後に帰社する事が多いと思いますので、夕方以降に充電が集中する事が想定されます。普通充電器はプラグを挿したら自動で充電が始まるので、帰社した車両が多くなる17時頃に電力のピークが立つことになり、最大で120kW程の電力を使用する事になります。

そうなると、EVを利用しない場合とした場合では最大2,000円/月程の電力料金の増加する事になります。

電力料金を抑えるためには電力のピークが立たないようにする(=充電のタイミングを変更)必要があります。しかし、充電器はプラグを物理的に抜き差しする必要があるので、充電タイミングを変更するにはどうしても人の手が必要となりますが、ここで充電器を遠隔制御する事で、充電タイミングや出力の調整が可能となったらどうなるでしょうか。

充電器の遠隔制御を行った場合

図2.充電器の遠隔制御をした場合の電力使用量

上の図は、先ほどの条件で、充電器の遠隔制御を行い、充電の調整した場合の使用電力のシミュレーションです。

遠隔制御で充電タイミングや充電出力の制御をすると、電力使用量は上図のように平準化出来て、事務所の契約電力を越えないようにプラグを挿しても、遠隔制御でオフィスがあまり電気を使用しない時間帯に充電が可能となり使用電力は契約電力量の範囲内で収まり、かつ安い料金設定の夜間電力を有効活用できます。

遠隔制御のためは充電器と管理システムの連携が必要となりますが、システム連携により充電器の状態を知る事も出来るようになるため、充電プラグが正常に挿せているかどうかの検知も可能となり、人為的な充電ミスを防ぐことも可能となります(正確には不具合を検知後にしっかりとプラグを挿し直してリカバリー出来る)。

おまかせEVと充電器の遠隔制御

遠隔制御のためには、管理システムとの連携が必要と説明しましたが、おまかせEV for Bizでも勿論遠隔制御可能な充電器との連携が可能です。おまかせEVと充電器の連携により、社有車/公用車の配車管理でEVを最大限活用が可能となり、充電器の遠隔制御によりピークが立たないようにしつつ最適なタイミングでの充電が可能となり、電欠の心配をすることなく積極的にEVの利用が可能となります。

また将来的には、おまかせEV for Bizでは充電器の遠隔制御に加えて、太陽光発電や蓄電池などを組み合わせて、再生可能エネルギーを無駄なく利用でき、より高度なエネルギーマネジメントを行えるように開発を進めてまいります。

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